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国際
超学歴社会の弊害、ハッキングする母たち

受験を目前に合格祈願する韓国の大学生
「子どもの将来を想ってのことです。」韓国通信社の取材に対して、事件に関与したとされる母親の金順洪(=キムスンホン)(56)は涙ながらに語った。
金氏の娘の惠鎭(ヒェジン)さんは17歳の高校2年生。自習に使う監視アプリのAIが、ときおり異様なアドバイスをすることに不信感を抱いていたという。「ある日、監視アプリが『冷蔵庫の中にケーキがあるかもしれない』と言いました。本当にあるのか疑いましたが、冷蔵庫を開けてみたら、本当に私の名前が書かれたケーキがあったんです。」
この他、居眠りで勉強を中断した際、監視アプリが執拗に「お母さんのことを考えて」と繰り返すなど、不審な点を利用するサービスのカスタマーセンターに問い合わせたところ、「弊社のAIの発言としては考えられない」と回答。惠鎭さんが勉強中に席を立って両親の寝室を開けたところ、ハッキング中の母親を発見した。
通信社の調べによると、母親の金順洪氏は娘が勉強に集中しているかが気になり、独学でITを学んでアプリ開発の知識を習得。自宅のWifiを意図的に脆弱な暗号方式に切り替えてパスワードを剽窃(ひょうせつ)した上、娘の就寝中にスマートフォンに密かに秘密鍵をインストールさせ、アクセス権を奪った。
韓国事情に詳しい評論家の崔映希(チェヨンフィ)さんは、「韓国では近年、子供のプライバシーを覗き見するためにハッキングの技術を学ぶ保護者が増加しています。伝統的に学歴が一生涯を左右する韓国社会では、親が過剰な心配や期待のあまり、問題を起こすことがあります。」と述べた。(記者=花房孟胤)
2027.8.20